遅番が多い県・少ない県は10倍以上違う
この記事の要点
- 薬局の営業終了時刻の相場は、都道府県で大きく違います。
- 平日19時以降まで営業する薬局(=遅番が発生しうる薬局)の割合は、最も高い大阪府が78.8%、最も低い宮崎県が7.2%。
- その差は10.9倍。全国平均は37.1%で、これを上回るのは47都道府県中12県です。
- 上位には関西圏が集中しています。
- ただしこれは都道府県全体の傾向で、個々の薬局の話ではありません。同じ県内でも市区町村で差があります。
- 営業時間は届出内容であり、個人の残業時間そのものではありません。
同じ「薬局勤務」でも、勤務地によって終業時刻の相場が変わります。 厚生労働省の公表データ(2025年12月1日時点)で全国60,354軒を都道府県別に数えたところ、 平日19時以降まで営業している薬局の割合に10.9倍の開きがありました。
結論:10倍以上の差がある
- 最も多い(大阪府)
- 78.8% 4,128軒
- 最も少ない(宮崎県)
- 7.2% 552軒
- 全国平均
- 37.1%
- 平均を上回る県
- 12県 47都道府県中
※参考:厚生労働省「医療情報ネット」オープンデータ(厚生労働省(e-Govデータポータル))/全国60,354軒を都道府県別に集計
転職で勤務地が変わると、同じ職種でも終業時刻の相場が変わります。 求人票の「9:00〜18:00」だけでは見えない部分です。
薬局の遅番が多い都道府県
| 順位 | 都道府県 | 薬局数 | 19時以降まで | 日曜営業 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 大阪府 | 4,128 | 78.8% | 5.9% |
| 2 | 奈良県 | 553 | 74.5% | 7.4% |
| 3 | 京都府 | 1,167 | 72.8% | 7.1% |
| 4 | 滋賀県 | 683 | 72.2% | 6.7% |
| 5 | 愛知県 | 3,343 | 72% | 6.5% |
| 6 | 兵庫県 | 2,511 | 67.6% | 6.1% |
| 7 | 岐阜県 | 1,054 | 58.4% | 5.9% |
| 8 | 東京都 | 6,662 | 53% | 12% |
| 9 | 和歌山県 | 481 | 49.5% | 4.8% |
| 10 | 神奈川県 | 4,078 | 42.1% | 11.4% |
上位には関西圏が並びます。大阪府は78.8%で、薬局のおよそ4軒に3軒が19時以降まで開いている計算です。
※参考:厚生労働省「薬局機能情報提供制度」(厚生労働省)/営業日・営業時間は薬局が都道府県へ届け出る項目
薬局の遅番が少ない都道府県
| 順位 | 都道府県 | 薬局数 | 19時以降まで | 日曜営業 |
|---|---|---|---|---|
| 47 | 宮崎県 | 552 | 7.2% | 2% |
| 46 | 熊本県 | 873 | 7.8% | 3% |
| 45 | 山口県 | 786 | 8.5% | 3.7% |
| 44 | 大分県 | 568 | 9.3% | 3.7% |
| 43 | 岩手県 | 625 | 9.8% | 3.8% |
| 42 | 長崎県 | 704 | 10.7% | 3% |
| 41 | 山形県 | 610 | 10.7% | 4.4% |
| 40 | 鹿児島県 | 856 | 11.1% | 4.2% |
| 39 | 青森県 | 593 | 11.3% | 3.5% |
| 38 | 福島県 | 902 | 11.6% | 4.4% |
下位は宮崎県・熊本県・山口県など。 宮崎県では19時以降まで開いている薬局が7.2%しかなく、 大半の薬局が夕方までに閉まります。
薬剤師がこのデータを読むときの注意
これは都道府県全体の傾向であり、個々の職場の話ではありません。 同じ県内でも市区町村によって差があり、駅前と郊外でも変わります。 検討している市区町村の数字はエリアページで個別に確認できます。
また、営業時間が長いことは残業が多いことと同義ではありません。 営業時間が長い店舗ほどシフト制で早番・遅番を分けている場合があり、 分かるのは「遅番という枠が発生しうるか」までです。
なぜ地域差が生まれるのかは、この公表データからは読み取れません。 分布は分かっても理由は分からない、という点は押さえておいてください。
※参考:厚生労働省「衛生行政報告例」(厚生労働省)/薬局数の全国統計はこちらでも公表されている
当サイトで分かるのは店舗の営業日と営業時間までです。 年収・薬剤師の配置人数・在宅対応の有無は公表されていないため扱えません。 個別の薬局への応募の取り次ぎも行っていません。
よくある質問
Q薬局の営業時間は地域によって違いますか?
A大きく違います。平日19時以降まで営業している薬局の割合は、最も高い大阪府が78.8%、最も低い宮崎県が7.2%で、10.9倍の開きがあります(厚生労働省の公表データ、2025年12月1日時点)。全国平均は37.1%で、これを上回るのは47都道府県中12県です。
Q遅番を避けたい場合、どの地域を選べばいいですか?
A公表データ上、遅番の割合が低いのは宮崎県(7.2%)、熊本県(7.8%)、山口県(8.5%)、大分県(9.3%)、岩手県(9.8%)などです。ただしこれは地域全体の傾向で、同じ県内でも市区町村によって差があります。検討している市区町村ごとの数字はエリアページで確認できます。
Q都市部のほうが薬局の営業時間は長いのですか?
A一概には言えません。上位には大阪府・奈良県・京都府・滋賀県が並び、関西圏が目立ちます。一方で人口の多い都道府県でも中位にとどまるところがあり、単純な都市部・地方の違いでは説明できません。公表データからは分布までしか分からず、理由までは読み取れません。
Q薬剤師が転職するとき、勤務地によって残業は変わりますか?
A店舗の営業時間という点では変わります。平日19時以降まで営業している薬局の割合は全国平均37.1%ですが、都道府県別では大阪府78.8%から宮崎県7.2%まで分布しています。ただし営業時間は届出内容であり、個人の残業時間そのものではありません。薬剤師が複数いてシフトを組める薬局では、営業時間が長くても個人の勤務時間は長くなりません。
Q関西の薬局は営業時間が長いのですか?
A公表データ上はそうなっています。平日19時以降まで営業している薬局の割合の上位には大阪府(78.8%)、奈良県(74.5%)、京都府(72.8%)、滋賀県(72.2%)、愛知県(72%)が並び、関西圏が集中しています。ただし理由にあたる項目は公表データに含まれておらず、なぜ地域差が生まれるのかは当サイトでは分かりません。
Q薬局の営業時間はどこで調べられますか?
A厚生労働省が「医療情報ネット(ナビイ)」のオープンデータとして、全国の薬局の営業日と営業時間を公開しています。当サイトはこのデータを市区町村別に集計しています。個別の薬局の営業終了時刻はエリアページの一覧に掲載しています。ただし届出内容であり、臨時休業や時間変更は反映されていません。
免責事項
本記事は厚生労働省が公表しているデータを集計したものであり、特定の地域・薬局・チェーンの優劣を 評価するものではありません。営業日・営業時間は各薬局の届出内容であり、臨時休業や変更は反映されていません。 勤務条件については、必ず求人票および面談でご確認ください。
参考文献
- 医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ 2025年12月1日時点版
厚生労働省(e-Govデータポータル) https://data.e-gov.go.jp/data/dataset/iryou_teikyouseido_mhlw - 薬局機能情報提供制度について
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/index.html - 衛生行政報告例(薬局数・従事者数などの統計)
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html
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この記事のデータについて
集計元は医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ/厚生労働省(2025年12月1日時点)に収録されている
全国60,354軒の薬局データです。標本調査ではなく全数を数えています。
同じファイルを取得すれば、どなたでも同じ数字を再現できます。
営業日・営業時間は薬局が届け出た内容です。
実際のシフト・残業時間・年収・オンコール・在宅対応の有無は含まれていません。
営業日が土曜でも、シフト制で交代に休める職場は多くあります。
勤務条件は必ず求人票と面談でご確認ください。
このテーマの全体像
この記事は「薬剤師の勤務地選び」というテーマの1本です。 全体像とほかの論点は、まとめページで整理しています。
薬剤師の勤務地選び|地域で働き方はどう変わるか
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ここまでは全国の傾向です。実際に検討している薬局や市区町村の数字は、個別に確認できます。 年収・薬剤師の配置人数・残業時間は公表されていないため、そこから先は求人を持っている側に聞くことになります。