薬局が多い県・少ない県は、人口あたりで2.1倍違う
この記事の要点
- 人口10万人あたりの薬局数は、全国平均で48.8軒です。
- 最も多いのは佐賀県の63.7軒、最も少ないのは沖縄県の30軒。その差は2.1倍。
- 実数で1位の東京都(6,662軒)は、人口あたりでは47軒で36位。順位が大きく入れ替わります。
- 上位は地方県が中心。下位には千葉・埼玉・神奈川・愛知といった人口の多い県が並びます。
- 薬局数は厚生労働省の公表データ、人口は総務省統計局の人口推計(2024年)を使用しています。
- ただし薬局数と求人数は別の指標です。当サイトは求人情報を扱っておらず、どちらが転職に有利かは判断できません。
「薬局が多い県はどこか」を実数で調べると、人口の多い都道府県が上位に並ぶだけで終わります。 そこで厚生労働省の薬局データ(2025年12月1日時点)と総務省統計局の人口推計(2024年10月1日現在)を突き合わせ、 人口10万人あたりの薬局数を計算しました。順位はかなり入れ替わります。
まず結論|人口あたりで見ると首都圏の薬局は少ない
人口10万人あたりの薬局数は、全国平均で48.8軒です。 都道府県別に見ると、最も多い佐賀県が63.7軒、最も少ない沖縄県が30軒でした。
- 全国平均
- 48.8軒 人口10万人あたり
- 最多(佐賀県)
- 63.7軒 502軒/人口788千人
- 最少(沖縄県)
- 30軒 440軒/人口1,466千人
- 東京都
- 47軒 実数1位だが密度は36位
※参考:厚生労働省「医療情報ネット」オープンデータ(厚生労働省(e-Govデータポータル))/薬局数(2025年12月1日時点、全60,354軒)
※参考:総務省統計局「人口推計」(総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat))/人口(2024年10月1日現在の推計人口)
実数では1位の東京都が、人口あたりでは36位に落ちます。 東京都の薬局は6,662軒と全国最多ですが、人口14,178千人に対する密度は47軒で、 全国平均48.8軒を下回りました。
人口10万人あたりの薬局数ランキング
| 順位 | 都道府県 | 薬局数 | 人口(千人) | 10万人あたり |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 佐賀県 | 502 | 788 | 63.7 |
| 2 | 山梨県 | 486 | 791 | 61.4 |
| 3 | 山口県 | 786 | 1,281 | 61.4 |
| 4 | 山形県 | 610 | 1,011 | 60.3 |
| 5 | 香川県 | 525 | 917 | 57.3 |
| 6 | 高知県 | 375 | 656 | 57.2 |
| 7 | 広島県 | 1,551 | 2,714 | 57.1 |
| 8 | 福岡県 | 2,907 | 5,092 | 57.1 |
| 9 | 徳島県 | 385 | 685 | 56.2 |
| 10 | 長崎県 | 704 | 1,252 | 56.2 |
| 11 | 鹿児島県 | 856 | 1,532 | 55.9 |
| 12 | 秋田県 | 495 | 897 | 55.2 |
| 13 | 新潟県 | 1,159 | 2,099 | 55.2 |
| 14 | 岐阜県 | 1,054 | 1,916 | 55 |
| 15 | 和歌山県 | 481 | 880 | 54.7 |
| 16 | 岩手県 | 625 | 1,145 | 54.6 |
| 17 | 静岡県 | 1,909 | 3,527 | 54.1 |
| 18 | 宮城県 | 1,211 | 2,248 | 53.9 |
| 19 | 宮崎県 | 552 | 1,033 | 53.4 |
| 20 | 富山県 | 528 | 997 | 53 |
| 21 | 群馬県 | 994 | 1,890 | 52.6 |
| 22 | 大分県 | 568 | 1,085 | 52.4 |
| 23 | 福島県 | 902 | 1,743 | 51.7 |
| 24 | 熊本県 | 873 | 1,697 | 51.4 |
| 25 | 青森県 | 593 | 1,165 | 50.9 |
| 26 | 長野県 | 1,012 | 1,987 | 50.9 |
| 27 | 島根県 | 327 | 642 | 50.9 |
| 28 | 鳥取県 | 269 | 531 | 50.7 |
| 29 | 三重県 | 866 | 1,711 | 50.6 |
| 30 | 石川県 | 553 | 1,098 | 50.4 |
| 31 | 愛媛県 | 634 | 1,276 | 49.7 |
| 32 | 茨城県 | 1,372 | 2,806 | 48.9 |
| 33 | 栃木県 | 921 | 1,885 | 48.9 |
| 34 | 滋賀県 | 683 | 1,402 | 48.7 |
| 35 | 大阪府 | 4,128 | 8,757 | 47.1 |
| 36 | 東京都 | 6,662 | 14,178 | 47 |
| 37 | 兵庫県 | 2,511 | 5,337 | 47 |
| 38 | 京都府 | 1,167 | 2,520 | 46.3 |
| 39 | 岡山県 | 846 | 1,831 | 46.2 |
| 40 | 福井県 | 335 | 739 | 45.3 |
| 41 | 愛知県 | 3,343 | 7,460 | 44.8 |
| 42 | 神奈川県 | 4,078 | 9,225 | 44.2 |
| 43 | 埼玉県 | 3,205 | 7,332 | 43.7 |
| 44 | 北海道 | 2,185 | 5,043 | 43.3 |
| 45 | 奈良県 | 553 | 1,285 | 43 |
| 46 | 千葉県 | 2,633 | 6,251 | 42.1 |
| 47 | 沖縄県 | 440 | 1,466 | 30 |
※参考:総務省統計局「人口推計」(総務省統計局)/人口推計の定義・算出方法
人口は総務省統計局「人口推計」の2024年10月1日現在の総人口(男女計)を使用しています。 薬局数は厚生労働省の公表データで、時点が異なります(薬局=2025年12月1日時点)。
実数で見た薬局数(勤務先の母数としての順位)
転職先の候補がどれだけあるかという観点では、密度より実数が効きます。実数の上位は次のとおりです。
| 順位 | 都道府県 | 薬局数 | 10万人あたり | 密度の順位 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 東京都 | 6,662 | 47 | 36位 |
| 2 | 大阪府 | 4,128 | 47.1 | 35位 |
| 3 | 神奈川県 | 4,078 | 44.2 | 42位 |
| 4 | 愛知県 | 3,343 | 44.8 | 41位 |
| 5 | 埼玉県 | 3,205 | 43.7 | 43位 |
| 6 | 福岡県 | 2,907 | 57.1 | 8位 |
| 7 | 千葉県 | 2,633 | 42.1 | 46位 |
| 8 | 兵庫県 | 2,511 | 47 | 37位 |
| 9 | 北海道 | 2,185 | 43.3 | 44位 |
| 10 | 静岡県 | 1,909 | 54.1 | 17位 |
| 11 | 広島県 | 1,551 | 57.1 | 7位 |
| 12 | 茨城県 | 1,372 | 48.9 | 32位 |
実数と密度で順位がまったく違います。 実数上位の都道府県は密度では軒並み下位にあり、人口の多さがそのまま薬局の多さになっているだけで、 1軒あたりが受け持つ人口はむしろ多いことが分かります。
薬剤師がこの数字をどう読むか
人口あたりの薬局数が少ない地域は、1薬局あたりの利用者が多い地域です。 処方箋の応需枚数が多くなる可能性があります。 それを「忙しい」とみるか「経営が安定している」とみるかは、立場によって変わります。 どちらが良いかを当サイトが判断することはできません。
薬局数と薬剤師の求人数は別の指標です。 薬局が多い地域に求人が多いとは限らず、逆に薬局が少ない地域で人手不足になっていることもあります。 当サイトは求人情報を扱っておらず、公表データからは求人の多寡を読み取ることはできません。 分かるのは勤務先の母数までです。
また、この数字は都道府県単位です。同じ県内でも市区町村によって状況は大きく違います。 検討している市区町村の薬局数・大手チェーン比率・営業日は エリアページで個別に確認できます。 都市規模による働き方の違いは都市部と地方の働き方の差にまとめています。
よくあるご質問
Q薬局が最も多い都道府県はどこですか?
A実数では東京都で6,662軒です。ただし人口10万人あたりで見ると東京都は47軒で47都道府県中36位にとどまります。人口あたりで最も多いのは佐賀県の63.7軒、最も少ないのは沖縄県の30軒で、2.1倍の差があります。
Q薬局の数は人口あたりで見るとどれくらい違いますか?
A全国平均は人口10万人あたり48.8軒です。都道府県別では佐賀県の63.7軒から沖縄県の30軒まで分布しており、2.1倍の開きがあります。薬局数は厚生労働省の公表データ(2025年12月1日時点)、人口は総務省統計局の人口推計(2024年10月1日現在)を使用しています。
Q薬剤師の転職先が多いのはどの地域ですか?
A勤務先の実数で見れば人口の多い都市部です。東京都6,662軒、大阪府4,128軒、神奈川県4,078軒と続きます。ただし求人が出ているかどうかは別の話で、当サイトは求人情報を扱っていません。分かるのは勤務先の母数までです。
Q薬局が人口あたりで少ない地域は、薬剤師にとって有利ですか?
A断定はできません。人口あたりの薬局が少ない地域は1薬局あたりの利用者が多く、処方箋の応需枚数が多い可能性があります。それが「忙しい」とみるか「経営が安定している」とみるかは立場によって変わります。また薬局数と薬剤師の求人数は別の指標であり、公表データからは求人の多寡は分かりません。
Q薬局の数と人口のデータはどこで入手できますか?
A薬局数は厚生労働省が「医療情報ネット(ナビイ)」のオープンデータとして公開しています。人口は総務省統計局の「人口推計」がe-Statで公開されています。どちらも無料で取得でき、当サイトの集計も同じファイルから再現できます。
免責事項
本記事は厚生労働省および総務省統計局が公表しているデータを集計したものであり、 特定の地域の優劣を評価するものではありません。薬局数と人口はデータの時点が異なります。 薬局数は届出情報にもとづくため、休止・廃止した薬局との差異があります。 勤務条件については、必ず求人票および面談でご確認ください。
参考文献
- 医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ 2025年12月1日時点版
厚生労働省(e-Govデータポータル) https://data.e-gov.go.jp/data/dataset/iryou_teikyouseido_mhlw - 人口推計 第5表 都道府県、男女別人口(各年10月1日現在)2024年
総務省統計局(政府統計の総合窓口 e-Stat) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?stat_infid=000040268859 - 人口推計(統計局ホームページ)
総務省統計局 https://www.stat.go.jp/data/jinsui/ - 衛生行政報告例(薬局数・従事者数などの統計)
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html
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この記事のデータについて
集計元は医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ/厚生労働省(2025年12月1日時点)に収録されている
全国60,354軒の薬局データです。標本調査ではなく全数を数えています。
同じファイルを取得すれば、どなたでも同じ数字を再現できます。
営業日・営業時間は薬局が届け出た内容です。
実際のシフト・残業時間・年収・オンコール・在宅対応の有無は含まれていません。
営業日が土曜でも、シフト制で交代に休める職場は多くあります。
勤務条件は必ず求人票と面談でご確認ください。
このテーマの全体像
この記事は「薬剤師の勤務地選び」というテーマの1本です。 全体像とほかの論点は、まとめページで整理しています。
薬剤師の勤務地選び|地域で働き方はどう変わるか
勤務地が変われば、同じ薬局勤務でも終業時刻の相場や勤務先の数が変わります。都道府県・都市規模ごとの実数をまとめました。
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ここまでは全国の傾向です。実際に検討している薬局や市区町村の数字は、個別に確認できます。 年収・薬剤師の配置人数・残業時間は公表されていないため、そこから先は求人を持っている側に聞くことになります。