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薬剤師の転職は厳しいのか|失敗を防ぐ確認項目を、公表データで仕分ける

この記事の要点

「薬剤師の転職は厳しい」と検索する方が知りたいのは、 おそらく失敗しないために何を確認すればいいかだと思います。 確認項目を並べる記事は多くありますが、 そのうちどれが事前に確認できて、どれができないのかを分けた記事は見当たりません。 厚生労働省の公表データ(2025年12月1日時点、全国60,354軒)を基準に仕分けます。

まず結論|確認できることと、できないことを分ける

公表データで確認できる
5項目 営業日・営業時間・所在地など
確認できない
7項目 人間関係・残業・年収など
全国の薬局数
60,354軒 1,743市区町村
薬局が3軒以下の市区町村
390市区町村 全1,743中

※参考:厚生労働省「医療情報ネット」オープンデータ(厚生労働省(e-Govデータポータル))/営業日・営業時間・所在地の確認可否は、公表項目の有無で判定

「よく調べる」と言われても、調べようがない項目があります。 どこまでが自分で確認できて、どこからが面談で聞くしかないのかを分けておくと、 限られた面談の時間を使う先が決まります。

転職の失敗理由として挙げられていること

転職に失敗した経験のある薬剤師100人を対象にした民間調査では、 失敗したと感じた理由の最多が「人間関係が悪かった・パワハラがあった」で31%、 次いで「事前情報と違うことがあった」15%、「残業が多かった・激務だった」14%でした。

人間関係・パワハラ 31% 事前情報と違った 15% 残業が多い・激務 14% 想定より給与が低い 11% 仕事内容が合わない 8%
図1:転職に失敗したと感じた理由(合同会社スマスタ調査、薬剤師100人、2021年9月、インターネット調査)

※参考:合同会社スマスタ「薬剤師100人の転職失敗例」調査(合同会社スマスタ(PR TIMESプレスリリース))/n=100。転職に失敗した経験のある薬剤師が対象
民間企業による調査です。公的統計ではありません。

この調査は薬剤師向け転職メディアを運営していた民間企業によるものです。 対象は100人、2021年のインターネット調査で、公的統計ではありません。 また調査主体のメディアは現在アクセスできず、 引用元として確認できるのはPR TIMESに残るプレスリリースのみです。 数字は参考程度に扱ってください。 当サイトはこの調査を記事の骨子にはせず、後述の仕分けの出発点としてのみ使っています。

確認項目を公表データで仕分ける

転職前に確認すべきとされる項目を、 厚生労働省の公表データで事前に確認できるかどうかで分けました。

表1:転職前の確認項目と、公表データでの確認可否(2025年12月1日時点)
確認項目事前確認方法・理由
営業日(土・日・祝) できる 薬局名で検索すれば届出内容を確認できます
営業時間(開店・閉店) できる 同上。求人票の勤務時間と突き合わせられます
所在地・通勤経路 できる エリアページと薬局名検索で確認できます
大手チェーンか地域薬局か できる 薬局名から判定した結果を掲載しています
その市区町村の薬局数 できる 転職先が合わなかったときの選択肢の数が分かります
人間関係・職場の雰囲気 できない 公表データにありません。口コミが3件以上ある薬局のみ参考にできます
薬剤師・事務員の配置人数 できない 公表データにありません。面談で聞いてください
平均残業時間 できない 公表データにありません
離職率・平均勤続年数 できない 公表データにありません
年収・手当の内訳 できない 公表データにありません
処方箋の応需枚数 できない 公表データにありません
有給取得率 できない 公表データにありません

※参考:厚生労働省「薬局機能情報提供制度」(厚生労働省)/薬局が都道府県へ届け出る項目の範囲

確認できない7項目が、面談で聞くべきことです。 逆に言えば、営業日・営業時間・所在地・チェーンかどうかを面談で聞くのは時間の使い方としてもったいない。 それらは応募前に自分で調べられます。

求人票の裏取りに使える項目

求人票の勤務時間と、届出上の営業時間を突き合わせると、記載されていないシフトが見えることがあります。 平日19時以降まで営業している薬局は全国で37.1%、 営業時間が11時間以上の薬局は7.6%あります。

表2:求人票と届出の突き合わせ
求人票届出読み取れること
勤務 9:00〜18:00営業終了20:00遅番の枠があります。求人票は一例の可能性
土日休み土曜が営業日シフト制で交代に休む形の可能性。土曜を閉める薬局は7.5%だけ
記載なし日曜も営業日日曜出勤が発生しうる薬局です

届出と求人票が違っていても、求人票が間違っているとは限りません。 店舗の営業時間と個人の勤務時間は別のものです。 薬剤師が複数いる薬局ではシフト制を取っており、営業時間が長くても個人の勤務時間は長くなりません。 分かるのは「その枠が存在するか」までです。 違いに気づいたら、否定するためではなく面談で確認する材料としてお使いください。

薬局名で裏取りする

当サイトにできないこと

当サイトは求人情報を扱っていません。 掲載しているのは厚生労働省の公表データ(所在地・営業日・営業時間)だけで、 募集状況とは無関係に全60,354軒を掲載しています。 個別の薬局への応募の取り次ぎもできません。

また人間関係・職場の雰囲気は、当サイトでは扱えません。 民間調査で失敗理由の1位に挙がっている項目ですが、 公表データにも求人票にも表れません。 当サイトでは実際に働いた方の口コミを承認制で掲載していますが、 同じ薬局で3件以上集まったものに限っており、まだ数は多くありません。 最終的には見学と面談で確認する必要があります。

※参考:厚生労働省「衛生行政報告例」(厚生労働省)/薬局数・従事者数の全国統計

よくあるご質問

Q薬剤師の転職は厳しいのですか?

A「厳しい」の意味によります。勤務先の数という点では、全国に薬局が60,354軒あり、1,743市区町村に分布しています。ただし市区町村単位では選択肢が限られ、薬局が1軒だけの市区町村が191(11%)、3軒以下が390あります。なお求人が出ているかどうかは公表データからは分からず、当サイトでは求人情報を扱っていません。

Q薬剤師の転職で失敗しやすいのはどんなときですか?

A転職に失敗した経験のある薬剤師100人を対象にした民間調査(合同会社スマスタ、2021年、インターネット調査)では、失敗したと感じた理由の最多が「人間関係が悪かった・パワハラがあった」で31%、次いで「事前情報と違うことがあった」15%、「残業が多かった・激務だった」14%でした。ただしこれはn=100の民間調査であり、公的統計ではありません。

Q転職の失敗は事前に防げますか?

A項目によります。当サイトでは「事前に確認すべき」とされる項目を、公表データで確認できるもの(5項目)と、できないもの(7項目)に仕分けました。営業日・営業時間・所在地・チェーンかどうかは事前に確認できます。人間関係・残業時間・年収・薬剤師の配置人数は公表されておらず、見学と面談で確認するしかありません。

Q求人票の勤務時間が本当か確認する方法はありますか?

Aあります。厚生労働省が全国60,354軒の薬局の営業時間を公表しているため、求人票の勤務時間と突き合わせられます。求人票に「9:00〜18:00」とあっても届出上の営業終了が20時なら、遅番の枠が存在する可能性があります。当サイトの薬局名検索で確認できます。

Q薬剤師が転職前に見学すべき理由は何ですか?

A人間関係・職場の雰囲気・実際の業務量は、公表データにも求人票にも表れないためです。前述の民間調査でも、人間関係が悪い職場に転職してしまった理由の最多が「店舗見学をしなかったこと」でした。当サイトで確認できるのは営業日・営業時間・所在地までで、そこから先は現地で見るしかありません。

Q薬剤師の転職先が少ない地域はどこですか?

A市区町村単位で見ると、薬局が1軒しかない市区町村が191、3軒以下が390あります(全1,743市区町村中)。ただし通勤圏は市区町村をまたぐため、隣接する市区町村もあわせて確認するのが現実的です。当サイトのエリアページには近隣市区町村へのリンクを置いています。

免責事項

本記事は厚生労働省が公表しているデータの集計と、民間企業による調査結果の引用で構成しています。 民間調査は対象100人のインターネット調査(2021年)であり、公的統計ではありません。 営業日・営業時間は各薬局の届出内容で、臨時休業や変更は反映されていません。 特定の薬局・転職サービスの優劣を評価するものではありません。 勤務条件については、必ず求人票および面談でご確認ください。

参考文献

  1. 医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ 2025年12月1日時点版
    厚生労働省(e-Govデータポータル) https://data.e-gov.go.jp/data/dataset/iryou_teikyouseido_mhlw
  2. 薬局機能情報提供制度について
    厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/index.html
  3. 薬剤師【100人】の転職失敗例、振り返ってわかった傾向と対策(インターネット調査/薬剤師の男女100人/2021年9月5日〜11日/全国)
    合同会社スマスタ(PR TIMESプレスリリース) https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000021.000061619.html
  4. 衛生行政報告例(薬局数・従事者数などの統計)
    厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html

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この記事のデータについて

集計元は医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ/厚生労働省(2025年12月1日時点)に収録されている 全国60,354軒の薬局データです。標本調査ではなく全数を数えています。 同じファイルを取得すれば、どなたでも同じ数字を再現できます。
営業日・営業時間は薬局が届け出た内容です。 実際のシフト・残業時間・年収・オンコール・在宅対応の有無は含まれていません。 営業日が土曜でも、シフト制で交代に休める職場は多くあります。 勤務条件は必ず求人票と面談でご確認ください。

このテーマの全体像

この記事は「薬局薬剤師の働き方」というテーマの1本です。 全体像とほかの論点は、まとめページで整理しています。

薬局薬剤師の働き方|休み・営業時間・シフトの実態

土日は休めるのか、残業はあるのか。求人票に書かれない部分を、厚生労働省の全数データから読み取ります。

このテーマの記事 11本を、 まとめページから辿れます

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ここまでは全国の傾向です。実際に検討している薬局や市区町村の数字は、個別に確認できます。 年収・薬剤師の配置人数・残業時間は公表されていないため、そこから先は求人を持っている側に聞くことになります。

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