薬剤師の年収は経験年数でどう変わるか|5〜9年で伸びが止まる
この記事の要点
- 「薬剤師は何年目で転職すべきか」を示すデータはありません。当サイトは推測では答えません。
- ただし関連する事実として、経験1〜4年(490.5万円)から5〜9年(512.5万円)への伸びは22万円しかありません。
- 前の区分は+116.8万円、次の区分は+75.8万円。この帯だけ伸びが小さくなります。
- 薬剤師全体の年収換算は約543.3万円(対象107,830人)。
- この統計は勤務先を区別していません。薬局・病院・企業がすべて「薬剤師」に含まれます。
- 転職前後の年収変化を示す公的統計は確認できていません。そこは当サイトでは扱えません。
「薬剤師は何年目で転職するのがよいか」という問いに、正解を示す公的データはありません。 ただし経験年数と年収の関係は、厚生労働省が統計として公表しています。 令和5年賃金構造基本統計調査の数字を整理したところ、伸び方が一定でないことが分かりました。
まず結論|薬剤師は経験5〜9年で年収の伸びが止まる
- 経験1〜4年
- 490.5万円 26,070人
- 経験5〜9年
- 512.5万円 伸びは+22万円だけ
- 経験10〜14年
- 588.3万円 +75.8万円
- 薬剤師全体
- 543.3万円 107,830人
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省(政府統計の総合窓口 e-Stat))/年収換算=所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額。残業代などの所定外給与は含まない
経験を4年から9年へ積んでも、年収は22万円しか変わりません。 その前後では116.8万円、75.8万円と大きく動いているため、この帯だけが平らになっています。
薬剤師の経験年数別の年収
| 経験年数 | 所定内給与(月) | 年間賞与 | 年収換算 | 労働者数 |
|---|---|---|---|---|
| 0年 | 306.8千円 | 55.4千円 | 373.7万円 | 8,270人 |
| 1〜4年 | 346.9千円 | 742.3千円 | 490.5万円 | 26,070人 |
| 5〜9年 | 360.6千円 | 798.2千円 | 512.5万円 | 23,560人 |
| 10〜14年 | 404.2千円 | 1032.6千円 | 588.3万円 | 11,370人 |
| 15年以上 | 447.2千円 | 843.7千円 | 621万円 | 38,560人 |
| 全体 | 388.7千円 | 768.7千円 | 543.3万円 | 107,830人 |
年収換算は所定内給与額×12+年間賞与その他特別給与額で計算しています。 残業代などの所定外給与は含まれていません。 企業規模10人以上、男女計の数字です。
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省)/調査の対象・方法
薬剤師の年収の伸び方は一定ではない
| 区分の変化 | 年収の伸び | 読み取れること |
|---|---|---|
| 0年 → 1〜4年 | +116.8万円 | 新卒から数年で大きく上がる。賞与が本格的に加わる影響が大きい |
| 1〜4年 → 5〜9年 | +22万円 | ここだけ伸びが小さい。経験を積んでも年収に反映されにくい帯 |
| 5〜9年 → 10〜14年 | +75.8万円 | 再び大きく伸びる。管理薬剤師など役割の変化が想定される |
| 10〜14年 → 15年以上 | +32.7万円 | 伸びは続くが、ペースは緩やかになる |
この統計は同じ人を追跡したものではありません。 各区分にいる別々の人を同じ時点で比較したものです。 いま経験1〜4年の方が5年後に512.5万円になるという意味ではなく、 現在の各年数帯の相場を示すものとしてご覧ください。 伸びが小さい理由も、この統計からは分かりません。
経験年数別の薬剤師の労働者数
10〜14年の区分だけ人数が少なくなっています(11,370人)。 前後の5〜9年は23,560人、15年以上は38,560人です。
※参考:厚生労働省「賃金構造基本統計調査」(厚生労働省(政府統計の総合窓口 e-Stat))/労働者数は十人単位で公表されているものを人に換算
この谷が離職や転職を意味するとは言えません。 「15年以上」は区分の幅が広く人数が集まりやすいこと、 世代ごとの薬学部入学者数の違いなど、複数の要因が考えられます。 公表データからは、なぜ谷になるのかは分かりません。 事実として人数の分布を示すにとどめます。
このデータで分からないこと
| 知りたいこと | この統計 |
|---|---|
| 経験年数ごとの年収の相場 | 分かる |
| 経験年数ごとの労働者数 | 分かる |
| 勤務先別(薬局・病院・企業)の年収 | 分からない(職種で分類されており勤務先を区別していない) |
| 転職前後の年収変化 | 分からない |
| 何年目に転職する人が多いか | 分からない |
| 残業代を含む実際の手取り | 分からない(所定外給与を含まない) |
| チェーン別・企業別の年収 | 分からない |
「何年目で転職すべきか」に当サイトが答えを出すことはできません。 示せるのは年収の相場と、その伸び方が一定でないという事実までです。 転職支援サービスが独自に集計した数字も公表されていますが、 当サイトは公的統計で確認できるものだけを扱う方針のため掲載していません。
なお当サイトが掲載している薬局の営業日・営業時間データ(全国60,354軒、2025年12月1日時点)は この賃金統計とは別系統です。勤務先の働き方は 薬局薬剤師の働き方にまとめています。
よくあるご質問
Q薬剤師は何年目で転職するのがよいですか?
A「何年目が最適」を示すデータはありません。当サイトでは推測で答えません。ただし関連する事実として、令和5年賃金構造基本統計調査によると薬剤師の年収は経験1〜4年(490.5万円)から5〜9年(512.5万円)にかけて22万円しか伸びていません。前の区分では116.8万円、次の区分では75.8万円伸びており、この帯だけ伸びが小さくなっています。判断材料のひとつとしてご覧ください。
Q薬剤師の平均年収はいくらですか?
A令和5年賃金構造基本統計調査によると、薬剤師(男女計・企業規模10人以上)の所定内給与額は月388.7千円、年間賞与その他特別給与額は768.7千円でした。所定内給与×12+賞与で計算すると年収換算で約543.3万円になります。対象は107,830人です。なお残業代などの所定外給与は含まれていません。
Q薬剤師の年収は経験年数でどれくらい上がりますか?
A経験0年の373.7万円から、15年以上で621万円まで上がります。差は約247.3万円です。ただし上がり方は一定ではなく、1〜4年から5〜9年にかけては22万円しか伸びません。
Q経験5〜9年の薬剤師の年収はいくらですか?
A年収換算で約512.5万円です(所定内給与 月360.6千円、年間賞与798.2千円)。この区分の労働者数は23,560人でした。ひとつ前の1〜4年は490.5万円で、差は22万円です。
Qこのデータに薬局勤務以外の薬剤師も含まれますか?
A含まれます。賃金構造基本統計調査の「薬剤師」は職種の分類であり、薬局・病院・企業などの勤務先を区別していません。当サイトが掲載している薬局の営業データとは別の統計です。勤務先別の年収を知りたい場合、この調査からは分かりません。
Q薬剤師の転職で年収は上がりますか?
A当サイトでは分かりません。転職前後の年収変化を示す公的な統計を確認できていないためです。転職支援サービスが独自に集計した数字は公表されていますが、当サイトは公的統計で確認できるものだけを扱う方針のため、掲載していません。
免責事項
本記事は厚生労働省が公表している統計を整理したものであり、個々の薬剤師の年収を保証するものではありません。 年収換算は所定内給与額と年間賞与から当サイトが計算したもので、残業代などの所定外給与は含まれていません。 統計は同一人物を追跡したものではなく、各経験年数帯の相場を示すものです。 実際の給与条件については、必ず求人票および面談でご確認ください。
参考文献
- 令和5年賃金構造基本統計調査 第14表 職種(小分類)、性、経験年数階級別所定内給与額及び年間賞与その他特別給与額(企業規模計10人以上)
厚生労働省(政府統計の総合窓口 e-Stat) https://www.e-stat.go.jp/stat-search/files?page=1&layout=dataset&data=1&metadata=1&toukei=00450091&tstat=000001011429&stat_infid=000040163754 - 賃金構造基本統計調査(調査の概要)
厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/chinginkouzou.html - 医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ 2025年12月1日時点版
厚生労働省(e-Govデータポータル) https://data.e-gov.go.jp/data/dataset/iryou_teikyouseido_mhlw
リンクはすべて掲載時点で表示を確認しています。リンク切れにお気づきの場合はお知らせください。
この記事のデータについて
集計元は医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ/厚生労働省(2025年12月1日時点)に収録されている
全国60,354軒の薬局データです。標本調査ではなく全数を数えています。
同じファイルを取得すれば、どなたでも同じ数字を再現できます。
営業日・営業時間は薬局が届け出た内容です。
実際のシフト・残業時間・年収・オンコール・在宅対応の有無は含まれていません。
営業日が土曜でも、シフト制で交代に休める職場は多くあります。
勤務条件は必ず求人票と面談でご確認ください。
このテーマの全体像
この記事は「薬局薬剤師の働き方」というテーマの1本です。 全体像とほかの論点は、まとめページで整理しています。
薬局薬剤師の働き方|休み・営業時間・シフトの実態
土日は休めるのか、残業はあるのか。求人票に書かれない部分を、厚生労働省の全数データから読み取ります。
このテーマの記事 11本を、 まとめページから辿れます
薬局薬剤師の働き方|関連する記事
-
土曜出勤はあるのか
土曜を営業日としている薬局は9割を超えます。「土日休み」を期待して入ると想定が外れる部分を、全数データで確認します。
-
日曜はどれくらい休めるか
日曜を営業日としている薬局は全体の1割未満。ただし首都圏と地方では差があります。
-
営業日は8パターンしかない
全国60,354軒の営業日を分類すると、実在するのは8パターンだけ。そのうち「平日+土曜」が84.3%を占めます。薬局勤務の標準形が数字で見えます。
-
営業時間と開店時刻の実態
9時台開店が72.4%、8時台が21.8%。営業時間の中央値は9.5時間で、11時間以上の薬局は7.6%です。早番・遅番の枠がどこに生まれるかが分かります。
-
祝日営業の実態
日曜を営業日とする薬局のうち、祝日も開けるのは56.4%だけ。日曜と祝日は別扱いされています。祝日だけ営業する薬局も967軒あります。
-
薬局は何時まで開いているか
全国60,354軒の閉店時刻を集計しました。18時が52.6%で最多、19時までに91.4%が閉まります。主要チェーン別の閉店時刻も一覧にしています。
-
一人薬剤師と営業時間の関係
薬剤師が何人いるかは公表されていません。ただし営業時間から「1人では回りにくい店舗」は絞り込めます。分かる範囲と分からない範囲をはっきり分けて整理します。
-
転職の失敗はどこで防げるか
転職に失敗した薬剤師100人が挙げた「確認しておくべきだったこと」を、公表データで事前に確認できるもの/できないものに仕分けました。営業日・営業時間は前者です。
-
転職サイトとの付き合い方
当サイトは転職サービスの広告収入を得ています。そのうえで、転職サイトに聞くべきことと、公表データで自分で確認できることを分けて整理します。
-
管理薬剤師のポスト数と分布
薬機法はすべての薬局に管理者を置くことを求め、他店との兼務を原則禁止しています。つまり薬局の数がそのまま管理薬剤師のポストの数です。都道府県別・チェーン別に集計しました。
勤務先を調べる
ここまでは全国の傾向です。実際に検討している薬局や市区町村の数字は、個別に確認できます。 年収・薬剤師の配置人数・残業時間は公表されていないため、そこから先は求人を持っている側に聞くことになります。