薬局ラボ 薬剤師のための全国薬局データベース/60,354軒

管理薬剤師のポストは全国に60,354ある|薬局の数がそのままポストの数

この記事の要点

「管理薬剤師になりたい」と考えたとき、そのポストが全国にいくつあるのかを示した資料は見当たりません。 ところが法律を読むと、ポストの数は計算できます。 薬機法はすべての薬局に管理者を置くことを義務づけ、他店との兼務を原則禁じているからです。 厚生労働省の公表データ(2025年12月1日時点、全国60,354軒)と合わせて整理しました。

まず結論|薬局の数が管理薬剤師のポストの数

管理薬剤師のポスト
60,354席 薬局の数と同じ
分布する市区町村
1,743市区町村
ポストが1つだけの市区町村
191市区町村 全体の11%
大手チェーン上位8社の合計
7,342席

※参考:厚生労働省「医療情報ネット」オープンデータ(厚生労働省(e-Govデータポータル))/薬局数=2025年12月1日時点時点の届出

薬局が1軒あれば、管理薬剤師のポストが必ず1つ生まれます。 そして1人が複数店舗の管理者を兼ねることは原則できません。 だからポストの数と、実際に管理薬剤師として働いている人の数は、ほぼ一致します。

根拠となる法律の条文

医薬品医療機器等法(薬機法)第7条「薬局の管理」が根拠です。 要点は次の3つです。

表1:薬機法第7条の要点
項定めていることポスト数への影響
第1項 薬局開設者が薬剤師のときは自らその薬局を実地に管理する。ただし他の薬剤師から管理者を指定して管理させるときはこの限りでない 薬局ごとに管理者が1人
第2項 薬局開設者が薬剤師でないときは、その薬局で実務に従事する薬剤師のうちから管理者を指定しなければならない 管理者は必ず薬剤師
第4項 管理者は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であってはならない。ただし都道府県知事の許可を受けたときはこの限りでない 兼務は原則不可。ポストと人がほぼ1対1

※参考:医薬品医療機器等法(薬機法)第7条「薬局の管理」(e-Gov法令検索)/条文はe-Gov法令検索で全文を確認できます

第4項には「都道府県知事の許可を受けたとき」という例外があります。 実際の運用は都道府県によって異なるため、兼務の可否は所轄の窓口へご確認ください。 当サイトは条文の内容を示すにとどめ、個別の許可の可否を判断するものではありません。 また管理薬剤師の勤務時間の要件については別途通知等があり、本記事では扱っていません。

都道府県別の管理薬剤師ポスト数

東京都 6662席 6,662席 大阪府 4128席 4,128席 神奈川県 4078席 4,078席 愛知県 3343席 3,343席 埼玉県 3205席 3,205席 福岡県 2907席 2,907席 沖縄県 440席 440席 徳島県 385席 385席 高知県 375席 375席 福井県 335席 335席 島根県 327席 327席 鳥取県 269席 269席
図1:都道府県別の管理薬剤師ポスト数(=薬局数、2025年12月1日時点)。上位6県と下位6県
表2:都道府県別のポスト数と人口10万人あたりの薬局数
順位都道府県ポスト数10万人あたりの薬局数
1 東京都 6,662 47
2 大阪府 4,128 47.1
3 神奈川県 4,078 44.2
4 愛知県 3,343 44.8
5 埼玉県 3,205 43.7
6 福岡県 2,907 57.1
7 千葉県 2,633 42.1
8 兵庫県 2,511 47
9 北海道 2,185 43.3
10 静岡県 1,909 54.1
11 広島県 1,551 57.1
12 茨城県 1,372 48.9
13 宮城県 1,211 53.9
14 京都府 1,167 46.3
15 新潟県 1,159 55.2
16 岐阜県 1,054 55
17 長野県 1,012 50.9
18 群馬県 994 52.6
19 栃木県 921 48.9
20 福島県 902 51.7
21 熊本県 873 51.4
22 三重県 866 50.6
23 鹿児島県 856 55.9
24 岡山県 846 46.2
25 山口県 786 61.4
26 長崎県 704 56.2
27 滋賀県 683 48.7
28 愛媛県 634 49.7
29 岩手県 625 54.6
30 山形県 610 60.3
31 青森県 593 50.9
32 大分県 568 52.4
33 石川県 553 50.4
34 奈良県 553 43
35 宮崎県 552 53.4
36 富山県 528 53
37 香川県 525 57.3
38 佐賀県 502 63.7
39 秋田県 495 55.2
40 山梨県 486 61.4
41 和歌山県 481 54.7
42 沖縄県 440 30
43 徳島県 385 56.2
44 高知県 375 57.2
45 福井県 335 45.3
46 島根県 327 50.9
47 鳥取県 269 50.7

ポストの絶対数は人口の多い都道府県に集中します。 一方で人口あたりの薬局数は順位が入れ替わり、密度が高いのは地方県です。 詳しくは薬局が多い県・少ない県をご覧ください。

チェーン別の管理薬剤師ポスト数

店舗数がそのままポスト数になります。上位8社で合計7,342席です。

表3:主なチェーンのポスト数と展開範囲
チェーンポスト数展開県数最も多い県
ウエルシア 1,811 40県 埼玉県(214)
スギ薬局 1,337 21県 愛知県(342)
アイン薬局 1,022 46県 北海道(118)
さくら薬局 906 46県 東京都(107)
日本調剤 748 47県 東京都(175)
そうごう薬局 550 40県 福岡県(69)
クオール薬局 486 36県 東京都(112)
ツルハ 482 25県 北海道(143)

チェーンの判定は薬局名からの推定です(公表データに法人名の項目がないため)。 屋号が異なるグループ店舗は含まれません。展開範囲は チェーンの都道府県別展開にまとめています。

ポストが多いことと、空きがあることは別です。 当サイトは求人情報を扱っておらず、募集状況は分かりません。

この数字で分からないこと

知りたいこと当サイト
管理薬剤師のポストの総数と分布分かる(薬局数と同じ)
チェーン別・都道府県別のポスト数分かる
ポストの空き状況・募集の有無分からない
管理薬剤師の年収・手当分からない(公的統計に区分がない)
管理薬剤師の勤務時間の要件扱っていない(通知等の原典を確認できていないため)
管理薬剤師になるまでの必要年数分からない
兼務許可の実際の運用分からない(都道府県の判断)

当サイトが示せるのは、法律から導けるポストの数と、その地理的な分布までです。 年収や募集状況は公表されておらず、求人を持っている側に聞くことになります。 当サイトから個別の薬局へ応募の取り次ぎを行うことはできません。

※参考:厚生労働省「衛生行政報告例」(厚生労働省)/薬局数・従事者数の全国統計

よくあるご質問

Q管理薬剤師のポストは全国にいくつありますか?

A薬局の数と同じ60,354です。薬機法第7条はすべての薬局に管理者を置くことを求めており、管理者は薬剤師でなければなりません。さらに同条第4項は、管理者が他の場所で業として薬局の管理などに従事することを原則として禁じています(都道府県知事の許可を受けた場合を除く)。つまり1人が複数店舗の管理者を兼ねることは原則できず、薬局の数がそのままポストの数になります。

Q管理薬剤師は他の薬局と兼務できますか?

A原則できません。薬機法第7条第4項は「薬局の管理者は、その薬局以外の場所で業として薬局の管理その他薬事に関する実務に従事する者であつてはならない」と定めています。ただし「その薬局の所在地の都道府県知事の許可を受けたときは、この限りでない」という例外があります。実際の運用は都道府県によって異なるため、所轄の窓口へご確認ください。

Q管理薬剤師のポストが多い都道府県はどこですか?

A薬局数がそのままポスト数になるため、東京都6,662、大阪府4,128、神奈川県4,078の順です(2025年12月1日時点時点)。ただし人口10万人あたりで見ると順位は入れ替わり、密度が最も高いのは佐賀県(63.7軒)です。

Q大手チェーンには管理薬剤師のポストがいくつありますか?

A店舗数がそのままポスト数になります。当サイトが薬局名から判定した範囲では、上位8チェーンで合計7,342店舗です。最も多いのはウエルシアの1,811店舗。ただしチェーンの判定は薬局名からの推定であり、屋号が異なるグループ店舗は含まれません。

Q管理薬剤師になると年収は上がりますか?

A当サイトでは分かりません。管理薬剤師かどうかで区分した公的な賃金統計を確認できていないためです。参考として、賃金構造基本統計調査の薬剤師(職種計)では経験5〜9年が年収換算512.5万円、10〜14年が588.3万円でした。ただしこれは経験年数による区分であり、役割による違いを示すものではありません。

Q管理薬剤師のポストが1つしかない地域はありますか?

Aあります。薬局が1軒しかない市区町村が191あり(全1,743市区町村の11%)、そこでは管理薬剤師のポストも1つだけです。3軒以下の市区町村は390あります。その地域で管理薬剤師を志す場合、ポストが空くかどうかが前提になります。

免責事項

本記事は法令の条文と厚生労働省が公表しているデータをもとに整理したものです。 法令の解釈・適用については所轄の都道府県薬務主管課にご確認ください。 当サイトは特定の薬局・チェーンの優劣を評価するものではなく、募集状況も把握していません。 勤務条件については、必ず求人票および面談でご確認ください。

参考文献

  1. 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和三十五年法律第百四十五号)第七条
    e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145
  2. 医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ 2025年12月1日時点版
    厚生労働省(e-Govデータポータル) https://data.e-gov.go.jp/data/dataset/iryou_teikyouseido_mhlw
  3. 薬局機能情報提供制度について
    厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iyakuhin/kinoujouhou/index.html
  4. 衛生行政報告例(薬局数・従事者数などの統計)
    厚生労働省 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/36-19.html

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この記事のデータについて

集計元は医療情報ネット(ナビイ)オープンデータ/厚生労働省(2025年12月1日時点)に収録されている 全国60,354軒の薬局データです。標本調査ではなく全数を数えています。 同じファイルを取得すれば、どなたでも同じ数字を再現できます。
営業日・営業時間は薬局が届け出た内容です。 実際のシフト・残業時間・年収・オンコール・在宅対応の有無は含まれていません。 営業日が土曜でも、シフト制で交代に休める職場は多くあります。 勤務条件は必ず求人票と面談でご確認ください。

このテーマの全体像

この記事は「薬局薬剤師の働き方」というテーマの1本です。 全体像とほかの論点は、まとめページで整理しています。

薬局薬剤師の働き方|休み・営業時間・シフトの実態

土日は休めるのか、残業はあるのか。求人票に書かれない部分を、厚生労働省の全数データから読み取ります。

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